常石グループの事業において、金属スクラップ、古紙、使用済み梱包材、廃油などさまざまな不要物が発生します。そこで、環境配慮活動『5R』(Reuse・Reduce・Recycle・Refuse・Repair)の取り組みを積極的に進めています。
本来廃棄されるはずの製品に新たな価値を与えて再生することをアップサイクルといいます。廃棄されるものの中から使えるものを取り出して原料・材料として再利用するリサイクルに対して、アップサイクルでは元の製品の素材をそのまま生かすという特徴があります。
TSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES(CEBU)(以下THI)は1990年代、造船業界では当時前例のない海外事業展開を全力で推し進め、以来地元の町やそこに暮らす人々と共に困難を一つずつ乗り越えながら、地域に根ざした産業として成長してきました。
(参考)『新造船が地域の主要産業に。フィリピン・バランバンと共に発展した30年』
https://www.tsuneishi-g.jp/sustainability/2023/01/story04/
現在ではセブ島を拠点として、主力となるばら積み貨物船をはじめ年間約20隻の船舶を建造しています。日々精力的に稼働する建造工場には、船舶の建造に必要な膨大な数の資機材(エンジンや発電機等)が搬入されます。これらは輸送途中の損傷や事故から保護するために、頑丈な木材で梱包されています。
保護する資機材が大小さまざまであるため、梱包材は汎用的な再利用が難しく、廃棄焼却して熱エネルギーとして利用することが一般的でした。
THIでは、この梱包材を、子どもたちが使う学習机・椅子・書棚などに加工再生(アップサイクル)して、現地の諸学校へ寄贈する取り組みを続けてきました。10年間に納めた学校家具は、約50校に対して1万セット以上になります。
企業に勤める社員だけでなく、その家族や住む町全体にわたって共に充実していくことにこれまで意識して取り組んできています。特に子どもたちは次の家族を作り、街や経済を更に発展させる大きな力として成長していきます。彼らの学びを支援することは、この地に根ざし共に歩もうとする私たちにとってこの上ない喜びです。
これからもTHIは近隣学校の学習環境の整備・支援に取り組み、子どもたちの健全な育成に積極的に貢献していきます。