産業廃棄物処理の
すべてのフェーズに対応する
環境事業バリューチェーンの構築

一貫処理体制を整え、
埋め立てゼロを目指す

常石グループにおいて環境事業を担うのがツネイシカムテックスおよび同社の子会社です。環境事業各社は、廃棄物処理や汚染土壌等、環境に関する調査・コンサルティングから、収集・運搬、鉄・非鉄回収、中間処理・リサイクル、最終処分まで、すべてのフェーズを網羅した一貫処理が可能な体制を構築しています。

 

廃棄物の処理方法は、焼却後に最終処分場に埋め立てる処分方法が主流です。しかし、全国的に最終処分場の残余容量が少なくなっており、環境事業各社では、埋め立てゼロを目指して、焼却灰の焼成や溶融処理による再資源化や、汚泥・廃プラスチックのセメント原料・燃料化、固形燃料化を行っています。循環型社会への転換が強く求められるなかで、新たなリサイクルの技術開発は喫緊の課題となっています。

優れた技術を結集した
環境事業のバリューチェーン

ツネイシカムテックスでは循環型社会の実現に向け、2002年に福山工場での総合リサイクルプラントの運用を開始しました。このプラントは、焼却時の熱エネルギーを有効活用する蒸気タービンによる発電設備や燃え殻・ばいじんの資源化が可能な溶融炉を併設、焼却・埋め立てという従来の廃棄物処理プロセスから、廃棄物処理の埋め立てゼロを目指したリサイクルの実現へ舵を切りました。

 

2011年に、一般廃棄物の焼却灰を主原料に人工砂(アークサンド)を製造するツネイシカムテックス埼玉工場(旧:埼玉ヤマゼン)がグループ入りしたのを皮切りに、2013年には、廃棄物を破砕・選別しRPF(廃棄物固形燃料)製造を行うサニー・クリエーション・プランニング(福島県)も参画。2015年には発酵技術によって汚泥や食品残渣を原料に有機発酵肥料を製造する双葉三共(広島県)、2016年に、廃プラセメント原燃料化や汚泥・ばいじんの混合によりセメント原料を行う東広商事(広島県)、2022年には、鉄スクラップなどのリサイクル製品の取り扱い強化を目的にヨシダ(富山県)がグループ入りを果たしました。

 

これらの会社と連携し、多様な廃棄物処理技術・リサイクル技術を活用しながら、スピード感をもって循環型社会の実現に向け事業の拡大を進めています。

焼却灰から製造された人工砂(アークサンド)
左からツネイシカムテックス埼玉工場(旧:埼玉ヤマゼン)/サニー・クリエーション・プランニング/東広商事。優れた技術を結集し、循環型社会の実現を目指しています


産学連携を通じて
イノベーションを作り出す

人類による地球資源の採取スピードは、地球が資源を生み出す早さをはるかに超え、また廃棄される物質の量も、地球環境の許容量をはるかに上回っています。地球環境の豊かさ、持続性が経済活動によって大きく損なわれつつある現状で、資源を無駄にすることなく極限まで活用していくことは、人類が果たすべき責任であり、廃棄物処理の現場でも3R(リユース・リデュース・リサイクル)やサーキュラーエコノミーの実現は、最重要課題と考えています。

 

ツネイシカムテックスおよび環境事業各社では、持続可能な社会の実現のために、現在、いくつかの大学や企業と共同で研究開発に取り組んでいます。産学官のさまざまなパートナーと連携することで、循環型社会の実現を目指してまいります。