常石グループ 2016年度 連結業績報告 多角化による各事業セグメントの安定収益基盤の確立で環境事業で売上高初の100億円越え
ツネイシホールディングス株式会社(以下 ツネイシホールディングス、本社:広島県福山市沼隈町常石1083番地、代表取締役社長:神原宏達)は、常石グループの2016年度連結業績を以下の通りお知らせします。
ツネイシホールディングス2016年12月期(2016年1月~12月)の連結売上高(ツネイシホールディングス含む32社)は、前年比345億円減収の2,038億円(前年比14%減)でした。セグメント別売上高では、造船事業は建造隻数が45隻でほぼ横ばいであったものの、2015年の環境規制前駆け込み受注が影響し、受注隻数が大幅減少となり、前年比248億円減収の1,543億円(前年比14%減)となりました。海運事業はドライバルク市況の低迷の影響を受けて、前年比57億円減収の269億円(前年比17%減)でした。一方、環境事業は新たに2社を連結対象とし、営業力が向上したため前年比43億円増収の113億円(前年比61%増)となりました。また、エネルギー事業は、燃油販売価格の低下や新車・中古車販売の減少により前年比42億円減収の180億円(前年比18%減)となりました。ライフ&リゾート事業は、みろくの里やしまなみビレッジなどの施設で過去最高の集客を記録しました。また、ベラビスタ スパ&マリーナ 尾道で引き続き客室稼働率などが好調に推移したことで、前年比5億円増収の131億円(前年比4%増)となりました。
<1. 造船事業>
戦略的プロダクトミックスの推進で多様な船種の受注を獲得へ
グループ中核の造船事業は、世界的な過剰船腹量の影響を受けて船価及び海上運賃が低迷している現状に対して、戦略的なプロダクトミックスを推進し、多様なニーズに対応する体制を築いていきます。今期も、これまでのバルクキャリアに加えて、コンテナ運搬船、家畜運搬船、タグボートなどの建造に加え、1月に漁船をメインに建造する三保造船を新たに傘下に加えました。2023年頃にはバルクキャリアの建造比率を下げ、タンカー、コンテナ船、その他の船種の比率を上げる目標としています。また、2014年から行ってきた常石工場(マザー工場)の設備投資も2017年には完了し、今後はさらなる生産性の向上を図っていく予定です。
さらに、現在研究中の新技術も含め、カーネギーメロン大学との先端ロボット技術などの共同研究、情報共有・見える化を目的としたIoTの積極導入なども継続し、常石品質を保ちながら生産性の向上や将来の人口減少に伴う労働人口不足に備えた準備を行っていきます。
2017年、常石造船は100周年を迎え、ユニフォーム改定、独身寮の新築など、今後の100年に向けての投資も行っていく予定です。
<2.海運事業>
外航事業、ロジスティクス事業、内航事業のシナジーをさらに高め、積極的に展開
神原汽船の外航事業では、上海を起点とした国内地方港との定期便を中心とし、タイの大手船社Regional Container Linesと協調サービスを継続すると共にその他の船社との提携を進めて、顧客にとって使い勝手の良い航路やサービスを提供してきました。所有船では、一部の中古船の売船を進める一方で新造船を保有して船隊整備を行いました。
ロジスティクス事業を展開する神原ロジスティクスは、2016年までに準備を進めてきた、AEO(Authorized Economic Operator)制度に基づく「特定保税承認者」及び「認定通関業者」としての承認・認定を神戸税関長より2017年1月17日に受けました。今後は認定通関業者として、より積極的なロジスティクス事業の展開が可能になります。
内航海運事業を展開する神原タグマリンサービスでは、2016年にフィリピンのTSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU), Inc.(THI)において曳船「うつみ」を進水し、曳船の所有が合計8隻となりました。今後は大型船の曳航のみならず、浮体構造物の運搬や港湾運送業務も行っていく予定です。
<3.環境事業>
バリューチェーンの充実とリサイクル率の向上
2016年は、東広商事、サニー・クリエーション・プランニングの2社を新たに連結対象子会社とし、連結売上高の拡大とさらなるバリューチェーンの充実化を図りました。営業・環境コンサルティングから、収集・運搬、中間処理、リサイクル・高付加価値化、最終処分までをツネイシカムテックス関連企業群で対応し、お客さまに安全・安心なワンストップでの廃棄物処理サービスを提供することが可能になりました。事業の拡大に伴い、過去3年で従業員数が大きく増加(2016年12月末359名、前年比17%増)し、売上高向上のみならず雇用拡大についても貢献を果たしています。さらに、様々な新技術の導入を軸に、現在課題となっているリサイクル率を2019年には75%、2021年には90%まで向上させていく予定です。
2017年、ツネイシカムテックスは50周年を迎えます。これまでM&Aにより充実を図ってきたサービスに磨きをかけ、更なる事業拡大を目指します。
<4.エネルギー事業>
パラグアイ、フィリピンにおける販売の拡大とEV事業の拡大
ツネイシCバリューズでは、国内における売電事業を2016年4月より開始する一方、パラグアイ、フィリピンにおいても積極的な事業展開をしてきました。パラグアイでは、既存の中古部品販売を南米ボリビアまで販路を伸ばし、今後は重機や農機レンタル・販売事業を拡大、小型電気自動車の製造販売などを展開していく予定です。フィリピンでも、E-Trike(電動オート三輪)、ゴルフカート、電気自動車の販売を中心に重機のレンタル・販売やフォークリフトの販売も展開していく予定です。
さらに、EV事業においてはゴルフカートをJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部へ納入したのを機に、国内も含めて伸ばしていく予定です。小型電気自動車の開発はボディフレームを自社にて3D図面にて設計し、中国、フィリピン、パラグアイで引き続き販売していく予定です。
<5.ライフ&リゾート事業>
「Bella Vista Quality」 次のステージに向けたブランド強化と再定義
ツネイシLRでは、“瀬戸内の価値をたかめ未来へとつなぐ”をコンセプトにライフ&リゾート事業として幅広い世代の暮らしを豊かにするバリエーション豊かな事業を展開しています。
ホテル事業の中核となるベラビスタ スパ&マリーナ 尾道では、2016年にメインダイニング Erretegia が2016 JCDアワードで金賞を受賞し、Ribbon Chapelが第57回(2016年)BCS賞を受賞しました。こうした評価に加えて、2017年6月にはJR西日本の「瑞風」の運行により、ベラビスタへの立ち寄りを始めます。こうした機会を捉えてブランド価値を向上し、「Bella Vista Quality」を次のステージへ高めていきます。また、10月には、瀬戸内観光客船「guntû」の就航を受け、より高いサービスレベルの向上に努めます。
遊園地部門である「みろくの里」では、2016年にオープンした「アスレチックパーク」を中心に、期間限定のアトラクションの実施、音楽フェスティバル「Music Resort うたたね2016 しまなみ」の誘致などが奏功し、入場者数も昨年に引き続き堅調に推移しています。2017年は20体の恐竜が出現する新エリア「ダイナソーパーク」のオープンを中心に、季節限定のアトラクションも展開していく予定です。
― 本件に関するお問合せ先 ―
ツネイシホールディングス
CSV本部
マーケティングコミュニケーション部
TEL:084-987-4915 FAX:084-987-5078