燃料節減効果の高い省エネ装置「MT-FAST」を開発 常石工場建造中のチップ船に搭載し、6月に運用を開始
ツネイシホールディングス株式会社(本社:広島県福山市、取締役社長:神原勝成)と日本郵船グループ会社の株式会社MTI(Monohakobi Technology Institute、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:安永豊)は、燃料節減効果が期待できる新たな船体付加物(注)「MT-FAST」(商標登録出願中)をこのほど共同開発しました。
新しい船体付加物「MT-FAST」は、開発会社であるMTI & Tsuneishiと、その特徴であるFalcate(鎌状の)Attachable(後付け可能な) STator(固定翼)の頭文字からとったもので、プロペラ前方に複数の翼を取り付けることで、プロペラの回転から生まれる旋回流による損失エネルギーを回収する効果があります。その燃料節減効果は、実験において約4%の効果が確認されており、現在建造中の木材チップ船で換算すると、年間の燃料消費量を約300トン、CO2排出量を約1000トン削減効果が見込まれます。また、「MT-FAST」は、新しく建造する船だけでなく既存船に取り付けることも可能です。
環境問題への関心が高まり、燃料費が高騰する中、燃料節減への対応は急務となっており、汎用性の高い船体付加物は、燃料節減対応策の一つとして注目を集めている技術です。
新しい船体付加物「MT-FAST」は、日本郵船および日本郵船グループ会社が運航するばら積み貨物船を中心に適用を開始します。同時に実運航状態での船体付加物の有無の違いによる燃料節減効果の度合いなどを把握し、さらに実用性を高めていく意向です。(特許申請済)
ツネイシホールディングスでは、アフラマックスタンカーをはじめ、ハンディマックスサイズ、パナマックスサイズ、ケープサイズのばら積み貨物船を対象に、順次「MT-FAST」を適用し、2010年には新しく建造する船舶のほぼすべてに「MT-FAST」を標準装備する計画です。
注:船体付加物
水面下の船体に何らかの物体を取り付け、損失したエネルギーを回収する装置。元来、省エネとなる船舶を設計するには船型自体を最適化する必要があるが、一般商船では船型設計時に積高の確保等を考慮しなければならず、船型だけで省エネを実現するには厳しい状況になっている。その状況を少しでも改善する目的で船舶に装備される。
― 本件に関するお問合せ先 ―
ツネイシホールディングス株式会社
グループ企画室 広報担当:大西、今井
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