せとうちの景観を守り
社会問題の解決へ
近年、日本各地の離島で大きな社会問題となっている自動車の不法投棄。2005年に自動車リサイクル法が施行され、使用済み自動車の処理にかかる負担義務が課されましたが、離島では輸送に高額な費用がかかるなど、法整備だけで解決できる状況ではありませんでした。
美しい島々がならぶ多島美が謳われる瀬戸内海の景観と豊かな自然、そして島民の方々の問題を解決するため、2003年より毎年、離島対策支援事業を活用し、大崎上島の使用済み自動車をバージ(台船)などで回収し、カーリサイクル工場で適切な解体処理を続けています。
人の手を惜しまず、
できる限りの部品を資源に
使用済み自動車は、人の手によって丁寧に選別し、部品として再利用(リユース)可能なものはできる限り取り外し解体作業を行います。さらに、解体後の車体からも、銅を含むワイヤーハーネスやモーター類の除去など細密な解体処理を行った後、プレス加工し電炉や転炉で製鋼の原料として一台すべてを溶解する自動車リサイクル法に基づいた手法で処理しています。中古パーツとして再利用(リユース)やリサイクルしやすいように鉄や銅といった金属等の純度を高める作業を行うことで、手間をかけてでも環境負荷の低減に寄与する選択をしています。
離島の自動車不法投棄を少しでも解消することが瀬戸内の美しい景観を守るだけでなく、サーキュラーエコノミー(循環型経済)実現のためにも必須となるカーリサイクル事業。限りある資源をより有効活用するため、対応するリサイクル領域をこれからも広げていくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。