省エネと再生可能エネルギーの利用により、
クリーンで持続可能な未来を目指す
循環型社会の実現に向けて
工場の消費電力を大幅に削減
常石グループでは、脱炭素・循環型社会の実現に向けて、エネルギーの利用を効率化するさまざまな取り組みを行っています。
常石造船の常石工場では、照明のLED化やデジタル技術を用いた消費電力の可視化・稼働最適化により、消費する電力量の大幅削減に成功しています。2024年度には対2019年度比で約28%減を達成しました。国内外の他の工場でも同様の取り組みを進めており、生産プロセスの改善もあわせて消費電力量の大幅削減に成果を上げています。
また、ツネイシカムテックス福山工場では、産業廃棄物の焼却時に発生する熱エネルギーを利用して高圧蒸気を発生させ、蒸気タービンによる発電を行い、工場の動力源として利用するサーマルリサイクルを行っています。リサイクルされた電力で、同工場の消費電力の約8割をまかなっており、事業のプロセスを有効活用することでCO2排出量の削減を実現しています。
再生可能エネルギーの積極活用で
さらなる脱炭素化を推進
グループ全体の年間総電力消費量は約18万MWh。さらなる脱炭素化に向け、グループ全体で太陽光発電など電力を自ら作り出す取り組みにも力を入れています。
各工場では、建屋屋根のスペースを有効活用した太陽光パネルの設置を推進しています。特に中国・舟山の常石集団(舟山)造船工場で2017年に稼働を開始した太陽光発電システムは(2023年1月に追加設置を行い)最大出力23MW、年間発電量2.4万MWhを記録し、建物の屋根に設置するタイプとしては浙江省内では最大級の太陽光発電システムとなっています。
2025年7月には、常石造船のフィリピン拠点であるTSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU), Inc.(以下、THI)でも、屋根設置型の太陽光発電設備を導入しました。この取り組みは、THIとTSUNEISHI HOLDINGS (Cebu), Inc.が共同で進める総出力3MWの太陽光発電プロジェクトで、2つのフェーズに分けて実施される予定です。第1フェーズでは、事務所および社員寮に総出力1.1MWの太陽光発電パネルを設置し、発電された電力をTHIの工場で使用しています。第2フェーズでは、駐車場および他の施設を対象に、新規太陽光発電設備を設置する予定で、2026年の完成を目指しています。
各工場の太陽光パネルや、常石商事が所有する瀬戸内海「大三島」の太陽光発電所、ツネイシカムテックスの廃棄物発電を合わせると、グループ全体の消費量の約24%に相当する約5.5万MWhの電気を自社で作り出しています。
また、今後も内外の事業所への高効率な省エネ設備の導入や新たな太陽光発電設備の導入を検討中です。将来的には、すべての事業所の電力を再生可能エネルギー由来の電力でまかなえるよう、省エネ・再エネの取り組みを推進していきます。