常石グループ

プレスリリース

2026.4.13

常石グループ 2025年度 連結業績報告

常石グループの2025年度(2025.1.1~2025.12.31)の連結売上高は、3,480億円(前年度比4.8%減)、経常利益は325億円(前年度比29%減)となりました。

セグメント別業績
セグメント別売上高は以下のとおりです。
海運事業は、上半期の傭船市況の低迷、自動車船売船による傭船料収入の減少、新造船の転売減少により、前年度比61億円減収の531億円(同10%減)となりました。
造船事業は、新燃料船の建造において工期が長期化し、建造隻数が減少したことから、118億円減収の2,630億円(同4.2%減)となりました。
環境事業は、マレーシアの非鉄金属事業における新収益認識基準の適用により、前年度比82億円減収の203億円(同28.7%減)となりました。
商社・エネルギー事業は、鋼材価格が落ち着いたことにより、前年度比62億減収の632億円(同9%減)となりました。
ライフ&リゾート事業は、ガンツウ事業の航路拡大により集客を伸ばした一方で、ベラビスタ スパ&マリーナ尾道の閉館の影響により、前年度比11億円減収の43億円(同20.3%減)となりました。

常石グループ2025年度 連結売上高 (内部取引相殺後)
常石グループ2025年度 連結売上高(内部取引相殺後)

常石グループ2025年度 推移(内部取引相殺後)
常石グループ2025年度 推移(内部取引相殺後)

※ 本文記載の売上高はいずれも内部取引の相殺前です。

 

全体総括
2025年度の業績は、連結決算を開始した2007年以降で過去2番目の水準となりました。前年度が過去最高であった反動により前年比では減少しましたが、全体としては増収増益基調を維持しており、グループの事業は引き続き堅調に推移しています。
また、常石グループは「常石グループ ミチシルベ2035」を新たに策定しました。2035年に向けた事業成長戦略として「ニッチトップ・エリアトップ」を掲げるとともに、カルチャー指針として徹底的に「ひと重視」を打ち出しています。
多様化する組織において、従業員一人ひとりが共通の価値観のもとで自律的に判断・行動できる体制を構築し、変化に強い組織への進化を図ります。
また、上記事業成長戦略「ニッチトップ・エリアトップ」と、カルチャー指針である徹底的に「ひと重視」を礎に、変革に向けた挑戦を加速していきます。その先には、10年後、変革を牽引する存在として事業規模8,000億円を実現するグループへの成長を目指します。

決算情報
・決算期:1月~12月
・連結対象:常石グループ40社(国内21社、海外19社)

 

【海運事業】
〈2025年度 概況〉
ばら積み船の市況は年初から低水準で推移しました。加えて、米国の相互関税の発動や、中国関連船および非米国建造船に対する入港料措置により、市況の不確実性が一層高まりました。これらの影響により、上半期はばら積み船の傭船市況の低迷、自動車船売船による傭船料収入の減少、新造船の転売減少が重なり、売上高は減収となりました。一方で、対予算比では増収となりました。
船舶貸渡業については、中国の国内炭生産の抑制や、中国向け鉄鉱石需要の回復に加え、長距離輸送となるボーキサイトの海上荷動きが前年から20%以上増加したことなどが、市況の下支え要因となり、下半期はばら積み船の市況上昇のタイミングを捉え、2025年および2026年の未契約期間における傭船契約締結と、インデックス傭船料の固定化を積極的に推進しました。
コンテナ船の船舶貸渡業は、過去に契約した傭船料に対し、米ドル借入金利の高騰によるコスト増を吸収できず、予算通りの損失を計上しました。一方で、プロダクトタンカー船は高水準での市況を維持しており、損益改善の主要因となりました。LPG船については、2025年10月に2隻目の新造船が竣工し、欧州のエネルギー会社との定期傭船契約を締結しました。
また、30年を迎えた日中定期コンテナサービスは、堅調な需要や航路スケジュールの見直しにより、安定した運航を維持しました。
船隊整備では、5月にメタノール二元燃料の66BC、7月に最新デザインのカムサマックス、10月に水素混焼タグボート、及びLPG船の4隻が船隊に加わりました。

〈2026年度 展望〉
2025年には、国際海事機関(IMO)によるGHG削減に向けた中期対策の採択が、米国の強い反対により延期され、代替燃料船の普及に影響を及ぼす可能性があります。
こうした状況の中でも、当社は引き続き、所有船舶の環境性能向上に取り組みます。具体的には、省エネ付加物の搭載や、既存エンジンで燃焼可能なバイオ燃料の活用を通じて、傭船者の協力を得ながら低炭素化を推進していきます。
2026年3月には、新造LNG二元燃料バルク船が船隊に加わりました。今後の船隊整備においては、市況変動リスクの低減を目的に、引き続き船種の多様化を進めていきます。
さらに、2026年度には資機材輸送船2隻の引渡しを予定しており、常石造船海外工場向けの安定輸送の強化に取り組んでいきます。

 

【造船事業】
〈2025年度 概況〉
昨年度は、二元燃料船を含め41隻(前年実績42隻)を建造し、高い生産水準を維持するとともに、安定した事業運営を継続しました。
受注面では、前年までの発注ピークが一段落し、船主の発注判断が慎重化する中にあっても、リピータ顧客を中心に需要を着実に取り込む事ができました。これにより、前年までに積み上げた受注残を背景に、引き続き十分な手持ち工事量を確保しています。
また、継続的な円安の進行が売上高の押し上げ要因となりましたが、戦略的な為替管理を行ってきた成果として、収益の最大化にもつながっています。
新造船事業では、これまで取り組んできた二元燃料船の開発を一段と強化しました。LPGタンク内製化で得た知見を活かし、LNG、メタノール、水素を燃料とする船舶の建造を進めています。特にメタノール燃料船については、国内本社工場での建造を起点に海外2工場に展開し、現在は海外拠点において連続建造体制を確立しています。
さらに、既存船への適用も視野に入れたメタノール燃料船設計について、ClassNKよりAiP(Approval in Principle)を取得しました。これにより、新造船のみならず既存船も含めた脱炭素化の選択肢を拡大し、顧客ニーズへの対応力を一層強化しています。
また、尾道造船と共同開発した「Bingo42」では、双方のノウハウや開発思想を共有し、従来船型の価値向上に向けた検討を重ねました。その結果、開発設計負荷を低減しつつ、燃費性能向上を実現しています。
2024年に開設した東ティモールの設計拠点では、引き続き設計人材の育成を進めており、徐々に実船の詳細設計業務へ移行しています。新工場建設については、政府との各種交渉が継続していますが、昨年夏にジョゼ・ラモス=ホルタ東ティモール大統領が来訪されたことを契機に、現地政府からの協力を得やすい環境となり、計画は加速度的に進展しています。これまでの海外展開で培ったノウハウを活かし、新造船供給能力の拡大に向けて、計画を着実に推進していきます。
修繕事業では、国内グループ会社との連携による「修繕ネットワーク」が着実に成果を上げており、引き続きグループ間連携の強化を通じて売上・利益の最大化を図っていきます。
また、当年度はグループ内の資本関係の整理および社名変更を実施し、造船セグメントの経営基盤強化と一体運営の推進を図りました。これにより、新造船・修繕・設計開発を含めたグループ全体の連携を一層強化し、競争力向上に取り組んでいます。
さらに、こうした取り組みを支える基盤として、人材の確保・育成や処遇改善にも継続して取り組み、社員一人ひとりが能力を発揮できる職場環境の整備を進めています。

〈2026年度 展望〉
マーケットの需要変化に迅速に対応するため、新たな商品開発手法の構築に取り組み、設計リードタイムの短縮を図ります。
また、将来的な人手不足や船種の多様化を見据え、工場の自動化およびデジタル技術の活用を一層推進し、先進的な現場づくりを進めていきます。
主力船型であるKAMSARMAXについては、今後のバージョンアップを見据え、EEDI Phase4に対応した第7世代の開発を進めています。引き続き、選ばれ続ける船型としての競争力強化を図るとともに、省エネ性能の向上に向けた技術開発を推進していきます。
さらに、就航後の運航支援やメンテナンスサービスの拡充に向けた検討を進め、船舶のライフサイクル全体を通じた価値向上を目指します。
これらの施策を着実に実行し、お客様への提供価値を継続的に高めていきます。将来を見据えた取り組みを積み重ねることで、新たな価値創出と持続的成長の実現につなげてまいります。

 

【環境事業】
〈2025年度 概況〉
脱炭素や再生可能エネルギーへの転換など、環境負荷低減に向けた企業の取り組みが加速する中、環境事業ではマテリアルリサイクル事業の拡大を推進しました。
一方で、本事業年度より、マレーシアのCycle Trend Industries Sdn.Bhd.で展開する非鉄金属事業について、会計ルール(新収益認識基準)の適用により、結果として減収となりました。なお、従来基準であれば増収となる水準でした。
また、ツネイシカムテックスでは、福山工場の焼却設備の故障などに伴う減産の影響により、結果として減益となりました。

〈2026年度 展望〉
焼却・溶融・焼成・混合・発酵・廃油処理など、多様な廃棄物処理に対応する許可と機能を活かし、再資源化を実現する総合環境ソリューションを、グループのネットワークを通じて各地に提供できる体制の構築を進めていきます。
また、産業廃棄物および一般廃棄物の処理におけるリサイクル率の向上に加え、CO₂削減・脱炭素に向けた設備投資や技術開発を推進します。さらに、新規規制物質への対応など、将来を見据えた課題にもスピード感をもって取り組んでいきます。
引き続き、無事故・無災害による安全操業とコンプライアンスを徹底するとともに、ESG経営の推進を加速し、すべてのステークホルダーへの貢献を果たしてまいります。

 

【商社・エネルギー事業】
〈2025年度 概況〉
2025年度は、主要市場の需要が底堅く推移する中、各事業において価格の適正化や調達・物流の効率化、稼働の平準化を進め、安定供給と品質向上に努めました。
鉄鋼・舶用品販売事業では、鋼材の販売量の減少と販売単価の減少により減収となりましたが、好調な造船事業を背景にグループ向け材料供給が伸長し、鋼材と比較して利益率の高い管材・資機材の販売量が増えたため収益を牽引しました。
エネルギー事業は、燃料の販売数量が減少した一方で販売口銭が増加し、全体としては概ね横ばいで推移しました。
モビリティ事業では、車検における粗利単価の上昇に加え、建機レンタル・整備の増加により、増益基調を維持しました。
電力事業では、グループ内向けの電力販売を開始し、常石グループのGX推進に貢献しています。
また、成長投資として新規事業開発部門において、2024年の3社合併以降、M&Aおよび新規事業の立ち上げを7件実行しました。2025年度の主な取り組みとして、石川県金沢市に拠点を置く大型自動車整備事業の「株式会社いずみ自動車」および「北國電装株式会社」を、グループ環境事業のヨシダと共同でM&Aを実行し、事業基盤を拡充しました。

〈2026年度 展望〉
「ニッチトップ・エリアトップ」の実現に向け、成長投資と事業基盤強化を両輪で推進します。
モビリティ事業では、昨年度グループ化した「株式会社いずみ自動車」「北國電装株式会社」に加え、2026年度には福山市の「丸誠自動車株式会社」を迎え入れます。これにより、大型自動車整備事業の体制強化と、品質および人材育成の標準化を加速していきます。
また、クルマを通じてお客様に安心・安全を提供し続けるとともに、サービスステーションを活用した事業拡大と新業態の開発を推進します。
グループの持続的成長への貢献として、電力事業ではGX推進を後押しし、鉄鋼・舶用品販売事業ではグループ各社との連携強化を通じて増産拡張に貢献してまいります。
新規事業の創出については、中期方針「常石グループにおける事業創出の中核を担う会社となる」のもと、新規事業開発とM&Aを継続し、ポートフォリオの多様化を推進していきます。

 

【ライフ&リゾート事業】
〈2025年度 概況〉
ライフ&リゾート事業は、就航8年目を迎えたガンツウにおいて、新カテゴリー客室「テラススイート プレステージ」の導入や、大阪特別航路(2025年8月運航)の開発などを通じて、商品・サービスの高付加価値化を推進しました。これにより、新規顧客の獲得と収益向上につなげています。
また、来場者が20万人を超えたひろしま国際建築祭をはじめ、瀬戸内国際芸術祭や岡山国際芸術交流など、瀬戸内エリアのイベントが国内外から注目を集めました。その結果、複合施設ONOMICHI U2およびLOGは大きく伸長しました。
みろくの里は、プールエリアの拡張により夏季繁忙期の混雑緩和と快適性向上を図り、ファミリー層を中心に来場者の増加に寄与しました。加えて、季節イベントや体験型コンテンツの充実により、新たな来場動機の創出を進めました。
学校研修については、既存利用団体を中心に安定した利用が継続しました。また、スポーツ大会や合宿については、酷暑などの影響を踏まえた柔軟な受入態勢の整備により、堅調に推移しました。
一方で、ベラビスタ スパ&マリーナ尾道の建て替えに伴う閉館の影響により、ライフ&リゾート事業全体としては減収となりました。

〈2026年度 展望〉
ライフ&リゾート事業の3社は、常石グループのブランド強化の一環として、ツネイシを冠する新社名へ変更しました。これにより、グループのアイデンティティや価値観の共有を進め、グループ全社の一体感向上を図ります。
今後は、クルーズ事業、ホテル事業、マリーナ事業、遊園地事業、研修施設運営事業、飲食サービス事業の6分野において、顧客価値の向上に資する施策を展開し、事業のさらなる深化を目指します。
すでに3月20日には、みろくの里において新アトラクション「テッペンマウンテン」がオープンしており、新たな集客の柱として展開しています。
また、今後開業を目指す新ホテルの準備を進めるとともに、国内市場にとどまらず、欧米・豪州および東南アジアからの訪日観光需要の獲得に向けた取り組みを強化していきます。

 

【常石グループについて】
常石グループは1903年の海運事業創業以来、ばら積み貨物船を中心とした新造船建造から国内最大規模の修繕ネットワークを擁する造船事業、国際海上物流サービスを提供する海運事業、付加価値を創造し、地域・社会に貢献する商社・エネルギー事業、廃棄物の再資源化から循環型社会の実現を目指す環境事業、瀬戸内地域の魅力を再構築し顧客体験を提供するライフ&リゾート事業など、5つの分野で「未来の価値を、いまつくる。」をスローガンに、常に時代の先を見据えながら、まだ世の中にない唯一無二の価値を生み出していきます。また、2025年に新たに設立した社会貢献推進部を通じて、地域貢献活動へのサポート拡大を行っていきます。

本社所在地:広島県福山市沼隈町常石1083番地
代表者:代表取締役社長 神原勝成
企業サイト:https://www.tsuneishi-g.jp/

- 本件に関するお問い合わせ先 -
常石グループ株式会社
コーポレートコミュニケーション部
メール:pr@tsuneishi.com
TEL:084-987-4915

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