プレスリリース
全10機関の共同により「持続的で競争力に優れる海事産業のための統合シミュレーション・プラットフォームの構築」事業を開始
常石造船株式会社
常石造船昭島研究所株式会社
株式会社MTI
三菱造船株式会社
国立研究開発法人海洋研究開発機構
ジャパン マリンユナイテッド株式会社
株式会社三井E&S
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所
国立大学法人大阪大学
国立大学法人京都大学
日本郵船グループの株式会社MTI(代表取締役社長:鈴木英樹、以下「MTI」)と、三菱造船株式会社(取締役社長:上田伸、以下「三菱造船」)、常石造船株式会社(代表取締役社長執行役員:奥村幸生、以下「常石造船」)、国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長:大和裕幸、以下「JAMSTEC」)、ジャパン マリンユナイテッド株式会社(代表取締役社長:廣瀬崇、以下「JMU」)、株式会社三井E&S(代表取締役社長:高橋岳之、以下「三井E&S」)、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(所長:平田宏一、以下「海技研」)、常石造船昭島研究所株式会社(代表取締役社長:五十嵐和之、以下「常石昭島」)、国立大学法人大阪大学大学院工学研究科(工学研究科長:大政健史、以下「大阪大学」)、国立大学法人京都大学(総長:湊長博、以下「京都大学」)は、経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)における研究開発構想「デジタル技術を用いた高性能次世代船舶開発技術」及び「船舶の安定運航等に資する高解像度・高精度な環境変動予測技術」について、研究開発課題「持続的で競争力に優れる海事産業のための統合シミュレーション・プラットフォームの構築」を10機関の共同により提案し、国立研究開発法人科学技術振興機構(以下JST)に5月末に採択されました。(参照:関連リンク1)
その後、本研究開発課題のプログラム・ディレクター、分科会委員、JSTの協力を得て、研究開発課題の詳細計画の調整を行って参りましたが、この調整が完了し、10月1日より以下の研究開発事業を開始しました。
1. 研究開発課題名
持続的で競争力に優れる海事産業のための統合シミュレーション・プラットフォームの構築
2. 研究代表者
安藤 英幸(株式会社MTI 常務取締役)
3. 研究分担者
三菱造船 | 武田 信玄 | 執行役員CTO |
常石造船 | 関 和隆 | 設計本部商品企画部 部長 兼 MBD推進室 |
JAMSTEC | 宮澤 泰正 | 船舶DX季節予測開発センター 上席研究員 |
JMU | 西村 豊 | 経営企画部 参与 |
三井E&S | 島田 一孝 | エンジン設計部 部長補佐 |
海技研 | 大橋 訓英 | 流体性能評価系 副系長 |
常石昭島 | 木村 校優 | 取締役技術統括部長 |
大阪大学 | 牧 敦生 | 教授(地球総合専攻) |
京都大学 | 榎本 剛 | 教授(防災研究所) |
4. 研究開発概要
今後、船舶需要の中心は温室効果ガス排出削減のための代替燃料利用、風力推進ほかの省エネ技術、自動運航をはじめとする高度な統合制御システムを採用した高性能次世代船舶へと移行します。日本の海事産業は、労働人口が減少する一方で世界的な需要拡大に伴う建造能力拡大も求められており、機能・仕様が高度化・複雑化する高性能次世代船舶を短期間に開発・供給する能力を獲得する必要があります。このための方策として、本研究開発課題では初期の開発、設計段階で、建造、運用のライフサイクルとサプライチェーンを同時並行的に考慮して、本船仕様、建造計画を最適化する「統合シミュレーション・プラットフォーム」を構築し、バーチャル・エンジニアリングの手法の海事産業への導入を推進します。また、船舶の安全な運用に影響を与える気象・海象の予測についても、台風などの極端現象を含む1~3カ月先までの季節予測技術を確立し、統合シミュレーション・プラットフォームに組み込みます。
5. 研究開発項目
研究開発項目1
「統合シミュレーション・プラットフォームの社会実装に関する研究」
リーダー:安藤 英幸 (MTI)
参加機関:MTI・三菱造船・常石造船・JAMSTEC
研究開発項目2
「先行開発シミュレータに関する研究」
リーダー:関 和隆(常石造船)
参加機関:常石造船・MTI・常石昭島・海技研・三井E&S・三菱造船・JMU
研究開発項目3
「設計建造に関する研究」
リーダー:田中 大士(三菱造船)
参加機関:三菱造船・JMU・海技研
研究開発項目4
「コミッショニング試運転に関する研究」
リーダー:杉山 紀代子(常石造船)
参加機関:常石造船・MTI・三井E&S・大阪大学・常石昭島
研究開発項目5
「運航保守シミュレータに関する研究」
リーダー:角田 領(MTI)
参加機関:MTI・常石造船・常石昭島・大阪大学・三井E&S
研究開発項目6
「気象海象季節予測シミュレータに関する研究」
リーダー:宮澤 泰正(JAMSTEC)
参加機関:JAMSTEC・京都大学・MTI・<追加公募>
※研究開発項目6の参加機関の<追加公募>については、関連リンク3を参照ください。
6. プロジェクト期間
2025年10月1日~2030年9月30日(5年間)
統合シミュレーション・プラットフォームの構成を基に、6つの研究開発項目における研究開発を推進し、3年後の2028年にはステージゲート評価等を含む中間評価を受け、5年後の2030年までに各研究開発項目成果物を統合して総合シミュレーション・プラットフォーム(下図)を構築し、実際の船舶建造での実証を目指します。
統合シミュレーション・プラットフォームの構成
7. 予算規模
構想全体で最大120億円(間接経費含む)
8. 問い合わせ窓口
株式会社MTI
K Program採択プロジェクト JCAST事務局
E-mail: MTI.ML.JCAST_Admin@monohakobi.com
9. 関連リンク
1) JST K Program 新規課題の採択決定について (2025年5月30日)
https://www.jst.go.jp/pr/info/info1772/index.html
2) 「持続的で競争力に優れる海事産業のための統合シミュレーション・プラットフォームの構築」の採択 (2025年6月19日)
https://www.monohakobi.com/ja/company/news/news_20250619/
3) 「持続的で競争力に優れる海事産業のための統合シミュレーション・プラットフォームの構築」の研究開発項目6における研究開発提案募集(RFP: Request for Proposal)について
https://www.monohakobi.com/ja/company/news/news_20250902/