プレスリリース
ベルギー王室の訪日を機に両国企業が水素エンジン分野で業務提携覚書を締結
2025年6月6日、海運分野の脱炭素化を推進する画期的な一歩として、ジャパンハイドロ株式会社(本社:広島県福山市沼隈町常石1083番地、代表取締役社長 神原満夫、以下、ジャパンハイドロ)、BeHydro BV(以下BeHydro)、ダイハツインフィニアース株式会社(大阪府大阪市北区、代表取締役社長 堀田佳伸、以下ダイハツインフィニアース)、株式会社ミズノマリン(大阪府豊中市、代表取締役 水野茂、以下、ミズノマリン)の4社は、アストリッド・ベルギー王国王女殿下ご臨席のもと、水素エンジンBEH2YDRO INFINEARTHシリーズの日本展開に向けた販売等業務提携覚書を締結しました。
調印式は、東京のベルギー王国大使館にて行われ、アストリッド・ベルギー王国王女殿下、ローレンツ同国王子殿下、アントワン・エヴラー駐日ベルギー王国特命全権大使、三上正裕駐ベルギー日本国特命全権大使をはじめとする多数の来賓が出席しました。
本業務提携は、日本の港湾および内航分野においてBeHydroの水素混焼エンジンおよび100%水素を燃料とした専焼エンジンの実装を加速させることで、我が国のゼロエミッション目標の達成に貢献することを目的としています。欧州で既に商用化されている同エンジンを日本の基準に適合させた上で、日本での出荷試験・搭載・アフターサービスが提供されます。
水素エンジン搭載船の導入
日本においては、常石造船株式会社で建造中の水素燃料タグボートにおいて混焼タイプV型12気筒2基が搭載され、本年7月に竣工予定です。また、ジャパンハイドロにおいて建造を計画中のゼロエミッション船には、専焼タイプ直列6気筒3基の採用が決定しています。なお、両船は公益財団法人日本財団によるゼロエミッション船プロジェクトの助成により推進中です。
各社役割とコメント
ジャパンハイドロは、日本におけるBeHydroの総代理店として、ダイハツインフィニアースと連携のもと、輸入から自社の水素エンジンR&Dセンターでの性能試験、そして納品までを一貫して担当します。ダイハツインフィニアースは、エンジン開発および製造における豊富な知見を活かし、技術検証および各種認証取得の支援も行います。ミズノマリンは、搭載・保守サービスを提供し、日本国内での安全かつ安定した運用を支援します。また、本提携には、BeHydro、ダイハツインフィニアース、ジャパンハイドロ間での、相互の技術融合と継続的な技術革新の実現を目的とした技術交流も含まれています。
各社代表コメント
ジャパンハイドロ株式会社 代表取締役社長 神原満夫:
「当社ではこれまで世界初の軽油水素混焼高速エンジン搭載の旅客船「ハイドロびんご」の開発及び今夏に竣工予定の水素混焼エンジン搭載曳船の開発や船舶用水素ステーションの開発・整備などを通じ、水素エンジン技術の適用について様々な課題を解決し、水素エンジンを搭載した船舶や港湾荷役機器などによる港湾・海運分野への脱炭素への貢献実現にむけて努力を続けてまいりました。
本業務提携により製品化済の中速水素エンジンの日本国内での船舶開発・建造への適用及び運用が可能になりますので、当社では事業パートナー各社様との協力により水素エンジン普及の加速を目指して水素エンジン搭載船などのソリューション提案をより強力に進めてまいります」
ABC Engines (BeHydro) CEO ティム・バークモース:
「ABC Enginesは、100年以上にわたる信頼性の高いエンジンを製造してきた実績を持ち、代替燃料の研究、排出ガス削減、排気処理システムの改良において常に最前線を走ってきました。BeHydroの水素技術により、ABCは今やネットゼロを実現するソリューションを提供しています。私たちは、日本船主の皆様の持続可能な海運への移行を実現するため、パートナー企業とともに支援できることを誇りに思います」
CMB.TECH CTO ロイ・カンペ:
「本業務提携は、水素エネルギーを活用したソリューションの展開における重要な節目となるものです。BeHydroの実績ある水素エンジン技術と日本のパートナー企業の持つ高度な専門知識を融合することで、日本の海事分野における脱炭素化を加速させるだけでなく、ベルギーと日本の技術革新の連携をさらに強固にします。本業務提携の調印に際し、王室のご臨席と外交支援を賜り、大変光栄に存じます。この業務提携が、よりクリーンな未来に向けた戦略的に重要な取り組みであることを強く示しています。CMB.TECHのHydrovilleやHydrotugといった先行事例が、日本での水素技術の道を開き、さらなる拡大に向けた準備が整ったことを誇りに思います」
ダイハツインフィニア―ス株式会社 代表取締役社長 堀田佳伸:
「当社グループは地球環境保全を重要な経営課題のひとつとして捉え、事業活動における環境負荷低減を推進しています。本業務提携においては当社がエンジンメーカーとして築いてきたエンジン開発・製造における知見や販売ネットワークを活かし、水素エンジンの普及に寄与したいと考えております。
今後も当社は取引先や事業パートナーと連携し、GHGネットゼロという大きな目標に取り組み、持続可能な社会の発展に貢献してまいります」
株式会社ミズノマリン 代表取締役社長 水野茂:
「当社は創業以来、「日本の船を止めない」という品質目標のもと、一貫して内燃機関の整備に携わってまいりました。
そして現在、私たちは化石燃料を用いた内燃機関の整備を担う企業として、脱炭素社会の実現に貢献することを重要な責務と捉えております。
今後は、水素エンジンが安全かつ安定して稼働できる環境づくりに積極的に取り組み、当社のCSR活動の一環として、持続可能な社会の実現に貢献してまいります」
■ジャパンハイドロ株式会社(JPNH₂YDRO CO., LTD.)
海事産業で実績を積んだ常石グループと環境対応に優れた船隊を有する総合海運企業であるCMB.TECHグループの合弁会社。港湾分野における脱炭素化に向けて、「水素エンジン(内燃機関)」の開発、販売を行っています。これまで、世界初の軽油水素混焼高速エンジン搭載の旅客船「ハイドロびんご」を開発し、水素混焼エンジンによる運航を実現しました。船舶や港湾設備、重機等のヘビーロードにおける水素エンジンの適用に、経済性、安全性を付加したソリューションを提案します
URL: https://jpnh2ydro.com/
代表: 代表取締役社長 神原満夫
設立: 2019年
事業内容: 水素エンジンを適用した各種製品の開発、販売、その他⽔素関連の事業開発、船舶保有・管理など
■BeHydro BV
BeHydroBVは、ベルギー2社の合弁事業であり、高性能なエンジンメーカーであるABC Enginesの技術力と革新的な海運企業であるCMB.TECHのビジョンを融合させたものです。海運、鉄道、発電など多くの産業がエネルギー転換を実現するためにクリーンな技術を必要としています。BeHydroは、こうした要求の厳しい産業に最適なソリューションを提供することを目標としています。
■ダイハツインフィニア―ス株式会社(DAIHATSU INFINEARTH MFG. CO.,LTD.)
ダイハツインフィニア―ス株式会社は大阪に拠点を構え、船舶用および陸用エンジンの研究開発から設計、製造、販売、アフターサービスに至るまでを一貫して手がけるエンジン専業メーカーです。2025年5月2日に現社名へ変更し、これを機に、エンジン技術を核としたパワーソリューションの提供を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しております。
URL: https://www.d-infi.com/
代表: 代表取締役社長 堀田佳伸
設立 : 1966年
事業内容 : 船舶用・陸用エンジンの開発設計、製造、販売、アフターサービスなど
■株式会社ミズノマリン(Mizuno Marine Co., Ltd.)
株式会社ミズノマリンは、大阪に本社を構える舶用エンジンおよび推進装置を中心としたサービス会社です。全国に整備ネットワークと自社工場を有し、船舶の新造・改造・修理・点検に関する幅広い技術サービスを提供しています。また、環境対応機器やハイブリッド推進システムの導入支援にも注力しており、持続可能な船舶運航をサポートします。部品供給から据付・アフターサービスに至るまで、一貫した体制で顧客ニーズに対応しています。
URL: https://www.mizuno-marine.co.jp/
代表: 代表取締役 水野茂
設立: 1991年
事業内容: 舶用エンジンおよび推進機器の販売・据付・修理・保守、部品供給、環境対応ソリューションの提供
【問い合わせ先】
ジャパンハイドロ株式会社
担当者: 青沼裕
電話番号: 03-6261-3534
メールアドレス: info@jpnh2ydro.com
CMB.TECH NV
担当者: 広報担当 Katrien Hannein
電話番号: +32 499 39 34 70
ABC Engines
担当者: 広報担当 Maxime De Cordier
電話番号: +32 478 68 02 85
ダイハツインフィニア―ス株式会社
担当者: 経営企画室 広報担当
電話番号: 06-6454-2334
メールアドレス: soumu.info@d-infi.com
株式会社ミズノマリン
担当者: 水野航平
電話番号: 06-6863-5233
メールアドレス: info@mizuno-marine.co.jp