建築
社宅 せとの森 設計 藤本 壮介
藤本 壮介
瀬戸内海に近い山間に建つ26戸の集合住宅。
周辺には古くからある切妻屋根の民家が軒を連ね、その間を階段状の路地が結び合わせる街並みが広がっている。この計画では、その家々に溶け込むよう、家と路地を組み合わせる形とした(2戸を1棟とした13棟)。背後の山との連続性を保つため、家々の間に100本以上の樹木を植栽し、かつての景観の再生とプライバシーの創出を意図している。鏡面ステンレスで覆われた外壁は、空や周囲の緑をぼんやりと映し出し、周辺の風景と調和しながら、天候や季節の移ろいと共に様々に魅力的な表情を見せる。
社宅 せとのき 設計 長谷川豪建築設計事務所
長谷川 豪
15戸からなる長屋の社宅。
敷地周辺に見られる瓦屋根の民家のように、軒を低く抑えた小さなスレート屋根が寄り集まることで、集落と調和した風景を生み出している。各屋根は隣戸にまたがるT字型の木架構からなり、それらが既存の複雑な地形に沿って反復することで、勾配の異なる屋根と屋根の隙間や木あらわしとした梁と梁の隙間から光が差し込む軒下のような室内空間をつくる。
社宅 せとテラス 設計 Mount Fuji Architects Studio
原田 真宏
原田 麻魚
家族向けの社宅。
その姿は造船所に横たわる巨大な貨物船のようにも見える。船首ともいえる南端は、約12mも地面からオーバーハングし、丘の上から突き出ている。これは傾斜地という立地ゆえに、不安定な崖に構造的負荷をかけないよう工夫されたもの。8層のタワー棟を重しとしてそれを山側に配置することで大胆な跳ね出しを実現させている。これにより低層部の屋上には大きな平場ができ、幅約26m、奥行き36mの平らなスペースを実現し住民に開放している。
LOG 建築家 Bijoy Jain(Studio Mumbai)
Bijoy Jain
スタジオ・ムンバイがインド国外で初めて取り組んだ建築プロジェクト。尾道山手のランドスケープに溶け込む、ホテルやダイニング、カフェ、ギャラリー、ライブラリーなどからなる空間。自然素材や伝統的な技術を重視し、熟練の職人と共に手作業で進めた建築が特徴。“手の力”によるエネルギーを何より大切にし、手漉きの和紙などの自然の素材を多く取り入れ、尾道の歴史や文化、自然・景観と調和のとれた温もりのある空間。
ホテル併設複合施設 ONOMICHI U2 設計 Suppose Design Office
谷尻 誠吉田 愛
尾道に暮らす人々が昔から知っている風景に現代の価値を挿入することで、古いけれど新しい「懐かしい未来」をつくり出し、尾道の魅力を発見するきっかけをつくるプロジェクト。活かし、残し、循環していく「サイクル」を大事にし、かつての海運倉庫をリノベーション。施設全体を「まちの中のちいさなまち」に見立て、倉庫の中に尾道の小さな建物が並ぶ、まちとの連続性や尾道らしさを大切にする複合施設。
秀路軒 設計 中村 昌生
表千家を代表する書院「残月亭」、及び茶室「不審庵」を、中村昌生氏の設計により創建当初の姿で再現したのが、茶室「秀路軒」。
利休自刃後に再興を許された千家の二代目少庵が、かつて聚楽屋敷にあった書院を映したとされる残月亭。また三代目宗旦が一畳半の茶室として創建し、四代目江岑が平三畳台目に改めた不審庵。天明の大火(1788年)で一度失われたこれらの茶室を、古図を手がかりとして詳細に再現している。
一来亭 設計 中村 昌生
わび茶の系譜の中で、その主流であった四畳半から、わびに徹した極限の茶室へと千利休が舵を切るのは、最晩年の約10年、即ち天正10年(1582)以降のこと。
二畳敷の妙喜庵「待庵」を経由し、天正14~15年頃に聚楽第、また隣接する自身の聚楽屋敷に一畳台目の茶室を営んだとされます。
現在では史料にのみ見えるこの一畳台目の茶室を茶室・数寄屋研究の泰斗である中村昌生氏の監修により、「一来亭」として復元を試みた。
洸庭 設計 名和 晃平(Sandwich)
名和 晃平
総門の傍ら、石のランドスケープの上に、伝統建築に多用されてきたこけら葺きの技法により、建築全体を木材で柔らかく包んだ舟型の建物が、あたかも浮かぶように建っています。
建物の中へ入ると、目の前に広がるのは静かにさざ波の寄せる水辺。濃密な闇の中で、水、波、そこに射すかすかな光を知覚する全感覚的な体験ができます。
禅の教えに従い、その核心へ近づこうとする道程で経験することを、現代美術の思考、手法で解釈/表現した、名和晃平|SANDWICHが担当しました。多様な角度から禅宗を感じ、理解する、その豊かな体験を味わってください。
松堂 設計 藤森 照信
藤森 照信
総門をくぐってまず目に入るのが、受付を行う寺務所の「松堂」。
設計は自然素材や植物を多用し、大地から生え出したような建築を手がけてきた、建築史家・建築家の藤森照信氏。山陽道から瀬戸内一帯を象徴する植物であり、また禅のイメージともっとも近い松をテーマに、手曲げ銅板で葺いた岩山のような屋根の上に松の木を植え、表面を削った松丸太を歩廊に並べて、周囲の自然と溶け合う建物を作り上げた。
TATOU TSUNEISHI 設計 ULTRA STUDIO
向山 裕二
笹田 侑志
東京の日比谷に常石グループの10社が一堂に会する場所を作る。現在は各社が都内に分散していて交流は少ない為、互いの理解と協力を促し、「ワンツネイシ」としての一体感を生む空間を目指した。
常石グループを象徴するものは何か。そのことを考え続け「瀬戸内海」へとたどり着いた。それに加え、工業的素材の輝きを水面の反射に見立てることで、海と工業という2つのアイデンティティを空間的に融合させている。
海は、入口の扉を開けた瞬間から「余白」として広がっている。余白は様々な活動を受け入れる場であり、動く家具とカーテンによって自在に変化し、ミーティング、レクチャー、調印式など、それぞれにふさわしい空間を提供する。
かつていくつもの灘の集まりだった瀬戸内海は、航海の安全性の向上とともに「内海」、「多島海」として全体を認識された。航海の中での「心の余裕」が「瀬戸内海」という「風景」の発見につながった。そんな心の余裕を生み出す余白がオフィスの中心にあることで、新たな発想や繋がりが生まれ、社の未来へとつながると考えている。そんな願いを込めて「TATOU TSUNEISHI」と名付けた。
guntû 設計 堀部 安嗣
「ガンツウ」は、瀬戸内海でとれる小さなイシガニの備後地方の方言。お乗りいただくお客さまにも地元の人々にも、その小さなカニのように永く愛される存在となるように、そして瀬戸内の伝統、文化、自然を豊かな滋味として味わってもらえるようにという想いを込めて、この船を「ガンツウ」と名付けた。
せとのおか 設計 Fortec Architects
「せとのおか」は、その名の通り、なだらかな丘に寄り添うように建てられていて、外観は周囲の景色に溶け込み、落ち着いた雰囲気を醸し出している。建物の中も、大きな窓からやわらかな光が差し込み、自然と調和した空間が広がっています。断熱性の高い外壁に、複層ガラスの窓。バルコニーのような庇(ひさし)が直射日光をやわらかく遮り、一年を通して快適に過ごすことができる。空調や給湯には熱効率の高いシステムを導入し、屋上には太陽光パネルを設置。これらの取り組みにより、省エネ建築として「ZEH Oriented」や「ZEB Ready」のBELS認証を取得しています。また、自動精算機や、全客室に顔認証システムを設置し、利用者の快適さと運営の効率化の両方をめざしている。
- 常石すくすくハウス(2027年6月完成予定)
設計 武田 清明