アンモニア燃料船の基本設計承認(AiP)をClassNKとロイドの2船級から取得
常石造船株式会社
株式会社商船三井
三井E&S造船株式会社
常石造船株式会社(社長:奥村幸生、本社:広島県福山市)、株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区)、および三井E&S造船株式会社(社長:小葉竹泰則、本社:東京都中央区)の3社は、共同で開発を進めているアンモニアを燃料とする外航液化ガス輸送船(以下「本船」)(註1)のリスク評価を行い、4月10日に一般財団法人日本海事協会(本部:東京都千代田区、以下「ClassNK」)とロイド船級協会(本部:英国)から基本設計承認(Approval in Principle、以下「AiP」)を取得しました。ClassNKとロイド船級協会2船級のAiPを取得したのは世界で今回が初となります。
本船は、燃焼時に CO2 を排出しないアンモニアを燃料として使用できる主機関を搭載した、中型アンモニア・LPG 輸送船です。本船では貨物として積載したアンモニアの一部を燃料として使用し、航海中の CO2 排出量ネットゼロを実現することを目標としています。
次世代のクリーンエネルギーとして期待されるアンモニアですが、その特性である可燃性・毒性・腐食性に対して、十分な安全性を確保する必要があります。加えて、現時点ではアンモニアを舶用燃料として利用するための国際的な規則が存在していないという課題があります。そこで、船舶の安全性への深い知見とアンモニア燃料船のガイドラインを持つClassNKおよびロイド船級協会とそれぞれHAZID(註2)を実施し、アンモニアを舶用燃料として使用する際の安全性について多角的な視点からリスク評価を行った結果、両船級協会から本船の基本設計に関する安全性が評価されました。
今後は、今回のリスク評価、AiP取得で得た知見を活かし、ネットゼロ・エミッション外航船となる本船の2026年頃の竣工に向け、設計を進めます。
アンモニアの舶用燃料および海上輸送に対するニーズの増加が見込まれるなか、3 社はネットゼロ・エミッション外航船によるクリーンな海上輸送ソリューションを提供し、脱炭素化の実現に向けた社会全体の取り組みの一翼を担ってまいります。
(註1)関連プレスリリース
2022年6月24日
アンモニアを燃料とするネットゼロ・エミッション外航液化ガス輸送船の建造に向けた共同開発を開始
https://www.tsuneishi.co.jp/news/release/2022/06/5498/
https://www.mes.co.jp/press/2022/uploads/20220624a.pdf
(註2)HAZID(Hazard Identification Study):システムの潜在的危険についてその危険の大きさと発生頻度を専門家間で討議し、システム全体として十分な安全性を持つようにするリスク評価・管理手法。
[本船概要]
全長: 約180m
全幅: 約30m
型深: 約19m
積載容量:約40,000m3
主機: 三井-MAN B&W製アンモニア燃料2ストロークエンジン S60型(開発中)
[三社概要]
常石造船株式会社
設立 :2011年1月(創業1917年7月)
本社所在地:広島県福山市沼隈町常石1083番地
代表者 :代表取締役社長執行役員 奥村 幸生
事業内容 :船舶の建造、修繕
株式会社商船三井
設立: 1884年5月
本社所在地:東京都港区虎ノ門2丁目1番1号
代表者: 代表取締役社長 橋本 剛
事業内容: 海運業など
三井E&S造船株式会社
設立: 2017年5月(創業1917年11月)
本社所在地:東京都中央区築地5丁目6番4号
代表者: 代表取締役社長 小葉竹 泰則
事業内容: 設計エンジニアリングサービス、舶用機器、操船システム、DX・モニタリング、技術支援など
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ツネイシホールディングス株式会社 / 広報部 / 084-987-4915