常石グループ業績発表 造船、海運、環境、エネルギー、ライフ&リゾート 5事業で多角化とグローバル化を加速
ツネイシホールディングス(本社:広島県福山市沼隈町常石1083番地、代表取締役社長:神原宏達)は、祖業の海運や中核の造船に加え、環境、エネルギー、ライフ&リゾートの5つの事業部門において、グループ経営資源の相乗効果を発揮し、事業の多角化やグローバル化を進めることにより、経営基盤の安定を中長期的な視野で図っていきます。
ツネイシホールディングス2015年12月期(2015年1月1日~12月31日)の連結売上高(ツネイシホールディングス含む30社)は、前年比515億円減収の2,383億円(前年比18%減)でした。セグメント別売上高では、造船事業が多度津造船の譲渡による建造隻数の減少などがあり、前年比445億円減収の1,791億円(前年比20%減)となりました。海運事業は船舶のリセール(売船)がなかったため、前年比110億円減収の326億円(前年比25%減)でした。一方、環境事業は3億円増の74億円と堅調に推移し、エネルギー事業は、原油価格の大幅な下落が影響し減収の222億円となりました。ライフ&リゾート事業は、みろくの里やツネイシしまなみビレッジなどの施設が過去最高の集客を記録しました。また、小型航空機事業を連結対象としたことで、大幅増の126億円となりました。2016年12月期の連結売上高は、2,400億円を見込んでいます。
1.造船事業
<省エネ技術を高度化し、多様な船種に応用>
グループ中核の造船事業は2018年末までの受注を確保しつつも、中国経済の減速などで海上荷動きが停滞し、鉄鉱石や穀物などを運ぶばら積み貨物船の運賃市況は低水準で推移しています。常石造船では主力船型のばら積み貨物船の省エネ技術を高度化し、その技術をコンテナ船やタンカーといった船種への応用を進め、アフラマックスタンカーやコンテナ運搬船の新造船を受注しました。マーケットニーズを的確につかんだ次期船型の選択および開発などを進める3年プランにも着手しました。
さらに常石造船ではフィリピン、中国をはじめとする海外グループ会社とも連携し、次世代を担うグローバル人材の育成に取り組んでいます。本社の常石工場で一昨年から進めている大規模な設備投資は今年末でほぼ完了します。これにより常石工場は、マザー工場として経験と実績に裏打ちされた常石品質を海外事業拠点と連携することにより、お客様へ“JAPAN QUALITY”のより良い船舶を全ての工場から提供していきます。
2.海運事業
<台湾、東南アジアを強化、船隊多様化で安定した収益体制へ>
神原汽船の定期船事業では、台湾航路で新たに上海海華輪船と協調運航をこの4月から開始し、台中、基隆の2港だった台湾の寄港地に高雄を追加し、台湾の輸送ニーズに対応します。タイの大手船社Regional Container Linesとの上海トランシップ契約は継続しながら、荷主の東南アジアへの生産移管の動きもあり、他船社との提携によって、上海をハブ港に日本の地方港と東南アジアを結ぶ輸送日数の短縮化などサービスを強化していきます。神原ロジスティクスは、福山港を基点に国際複合一貫輸送を強化し、海運事業の収益の安定へ寄与していきます。
不定期船事業は原油安の進行に伴い燃料油価格が大きく低下した反面、依然続く船腹の供給過剰によりドライバルク市場が悪化しており、好況時に締結した国内外の海運会社への長期傭船契約があるものの、厳しい状況が続いています。神原汽船の2015年12月末時点の保有隻数は海外子会社を含め37隻です。2020年までにはばら積み貨物船以外の比率を増やし、新たな船種を含む船隊の多様化を進める予定です。
3.環境事業
<M&Aで成長を加速し事業拡大へ>
2015年7月の双葉三共に加え、2016年1月には東広商事を子会社化し、廃棄物の再資源化の取り組みを強化しています。廃棄物を堆肥化する技術やセメント・製鉄の原燃料化する技術を新たに取得することにより、ごみの完全リサイクル化をさらに進めます。
ツネイシカムテックスでは国内での営業基盤、処理設備の充実と同時に、アジアで展開している廃棄物処理事業の基盤整備を進めています。タイでは排水処理事業が本格化しており、廃棄物の資源化モデルを通じて、経済成長に伴い顕著になりつつあるアジアでの廃棄物対策需要の事業化を推進しています。
<廃棄物の無害化完全リサイクルモデルを目指す>
ツネイシカムテックスでは最終処分場を使用しない、廃棄物の無害化完全リサイクルと焼却以外の廃棄物の処理方法の開発に取り組んでいます。燃え殻を最終処分場で埋め立てるこれまでの処理方法では、ごみの焼却施設の老朽化や埋め立て処分地の残余年数が限られている中で、持続可能な処理方法とはいえません。最終処分場を使わず持続可能な社会の実現のために、ゴミを単なる廃棄物として処理するのではなく、資源・エネルギーとして有効に活用する取り組みを強化し、「無駄なものは何もない」との考えを基本に廃棄物の完全リサイクルを目指しています。
4.エネルギー事業
<売電事業とアジアでの電気自動車(EV)事業を開始>
人とクルマとエネルギーのあらゆる可能性を求め、地域に密着したエネルギーや自動車関連サービスを提供するツネイシCバリューズ。エネルギー事業は、原油価格の大幅な下落により、石油関連事業は減収となりましたが、パラグアイ向けの自動車中古部品の輸出を含めた海外事業の強化や、国内での太陽光パネル販売事業に加え、瀬戸内海の大三島で太陽光発電による売電事業を開始しました。
さらに新規事業として、自動車販売、整備技術を生かし、アジアでの電気自動車(EV)の製造・販売事業を展開していきます。東南アジア諸国では、人口増加と都市化、経済発展により深刻な渋滞や大気汚染が悪化しています。現在、造船事業の海外拠点であるフィリピンセブ州(バランバン町)で2014年に電気三輪車(Eトライク)の実証実験を行い、現地での販売を準備しています。また、中国の研究所で小型四輪EVを開発するなど、事業化を着々と進めています。
5.ライフ&リゾート事業
<みろくの里来客数、ツネイシしまなみビレッジ利用実績が過去最高>
瀬戸内のスパリゾート「ベラビスタ スパ&マリーナ 尾道」をはじめ、「神石高原ホテル」や「みろくの里」など、ホテル、リゾート、レジャー施設の運営を通じて、ツネイシLRは備後エリアの賑わいを創出しています。
遊園地部門では、昨年夏のウォータースライダー導入や、イルミネーションの定着などで、2015年の入場者数が約35万人と過去最高になりました。宿泊・飲食部門では、体験型宿泊施設のツネイシしまなみビレッジが過去最高の利用実績(延べ宿泊人数8万8,000人)を達成しました。ホテル・マリーナ部門では、「ベラビスタ スパ&マリーナ 尾道」が昨年7月に新しいメインダイニング「エレテギア」がオープンし、次世代の建築デザインの基準となる作品を評価する国際建設賞リーフ賞をリボンチャペルが獲得するなどが寄与し、ウェンディング件数が増加するなど客室単価・稼働率とも向上しました。
ツネイシLRでは事業の一層の発展・成長を目的に、新卒採用や中途採用も継続的に行い、地域の活性化につなげていきます。
― 本件に関するお問合せ先 ―
ツネイシホールディングス
CSV推進部
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